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アイエヌスタジオ 一級建築士事務所
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 東久留米タルキプロジェクト 

 Higashikurume Timber Project 

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東久留米の地は江戸時代に100万都市を支える農産地として栄えたが、戦後に集約された農地と農業経営体によ
る生産体制が解体されて、高度経済成長期には住宅開発により人口が爆発的に増加した。現在は大規模団地を中心に世帯が高齢化し、小さな生産緑地まじりの郊外住宅地となっている。

国内を見渡せば宅地化なかばの農地はいくらでもある。それは近代資本主義が後押しする都市化推進と前近代の
地域主義がこらえようとする農業保護の板挟みの姿である。為政者やプランナーは近代化から取り残されたスプ
ロール都市とみるかもしれいないが、昔からの住民からすれば大きな経済と政治に振り回されてきた歴史である。余所者に残念がられるのは余計なお世話であり、住民たちは農地と生業と人を資源として生きる道筋を自ら組み立てる。

農家と書店を兼業するある一家は、地域の小規模で多様な作付けの農地・自ら経営する書店・地域住民を資源と見立てて、これらの資源を再編成するための点的拠点をDIYで作り、日々運営している。拠点のベースは団地の向かいの空き店舗・農地に囲まれる土地と空き家・駅前のテナント書店であり、これらを調達・加工が簡単な30×40mm のタルキを使って新たな拠点に作り変える。

これらの拠点は地域の農産物・書籍・働く人を受け入れる。農産物はスーパーに流れずに新鮮なうちに地産地消され、書籍は出版取次に左右されずに自らが選書を行い、働く人は暮らしを大事にしながらフルタイム労働を求められること無く書店と畑を行き来して柔軟に働く。

これは大資本や近代資本主義によらず、地域経済によって生きる空間をつむいでいることの一例である。

 

設計 IN STUDIO(小笹泉、奥村直子)、家入杏
デザイン 上田真里
施工 IN STUDIO(小笹泉、奥村直子)、施主
写真 小笹泉、野崎林太郎

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